Inleiding tot de R-statistiek

統計学全般に関する備忘メモの書庫(三中信宏)

「本日の講義は推論様式と分散概念」

みなさん,おはようございます.本日は2回目の講義ですが,前回に引き続き「統計学概論」の後半を話します.

内容としては,データから仮説にいたる「推論(inference)」の様式についての説明が中心になります.駒場で哲学あるいは論理学の講義を受講されたことのあるみなさんであれば,「演繹(deduction)」とか「帰納(induction)」という伝統的な推論様式があることをご存知でしょう.今日の講義では,この二つに加えて「アブダクション(abduction)」という第3の推論様式について解説し,統計的推論がアブダクションの強力なツールとなり得るという話をします.

後半,時間が残るはずですので,統計学の基本概念の一つである「平均(mean)」と「分散(variance)」とは何かについて話を進めます.データのバラツキの位置(location)の尺度である「平均」は直感的にわかりやすい概念です.その一方で,バラツキの大きさ(dispersion)の尺度としての「分散」はそれほどわかりやすくはないかもしれません.今回の講義では「分散」を“地べた”から導出してみます.

では,夕方,駒場にて.

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