Inleiding tot de R-statistiek

統計学全般に関する備忘メモの書庫(三中信宏)

「Windows環境で「R」を導入するための絶対確実な方法(続)」

ちょうど二年前に書いた記事「Windows環境で「R」を導入するための絶対確実な方法」の続きとして:

長年にわたって方々でR実習の経験を積んできたおかげで,たいていのフシアワセには即座に対応できるようになったが,それでも新たなタイプのフシアワセに毎回遭遇するので,経験値はどんどん上がっていく.

Rにからむフシアワセのほとんどは,必要なRcmdr関連パッケージ群がちゃんとインストールされていないことが原因である.あるいは,古いRが残っていて,新しいパッケージとのバージョン不適合というケースもある.これらのフシアワセは最新バージョンのRに最新のパッケージ群をインストールすることをつねづね心がければ事前回避が可能だろう.

その一方で,必要なパッケージ群をzipから解凍できないという重篤なフシアワセは処置が大事になる.何度トライしても途中でzip解凍が中断されてしまうというケースに遭遇したときは,もうどうしようもないので,ちゃんと起動している別PCの「library」フォルダー(解凍済みの約10,000ファイル)を丸ごとコピペするという “生体肝移植” みたいなオペを施してやっと成功した.

Rがうまく動かないときの施術方針の基本はちまちまとした対症療法ではなく,Rとパッケージ群の丸ごと再インストールにかぎる(オフライン環境だとけっこうじゃまくさい作業になるが).それでダメなら “生体肝移植” という根治療法だ.ただし,ユーザー名がマルチバイト文字だとほぼ治療不能なので,別途PCを貸し出して対応するしかない.

シアワセのかたちはどれも同じに見えるが,フシアワセのかたちはそれぞれちがっている.

「/var/folders へのフォルダー移動(macOS Sierra)」

Sierra に変身してからずっと困っていたことのひとつは R パッケージ更新時のファイル格納場所に到達できなくなってしまったことだった.たとえば,パッケージ更新すると格納場所は

/var/folders/……/T//RtmpkMGJJt/downloaded_packages

と表示される.El Capitan まではフォルダーの「移動」メニュー>「フォルダーへ移動」で,この行き先を入力すれば移動できた.ところが macOS Sierra だと,この操作では目的のファイル格納場所へは到達できない.試行錯誤してみると,のダブルスラッシュ「//」前までなら移動できると判明.つまり,第一段階として

/var/folders/……/T

へ移動.いったん,このキャッシュ領域の中に入ったら,第二段階として,同じく「移動」>「フォルダーへ移動」で「//」以降の

RtmpkMGJJt/downloaded_packages

をコピペすれば目的場所まで到達できることもわかった.要するに「//」が “障害物” だったということ.ダイレクトには到達できず,“二段階移動” するしかないのは手間が増えてしまったな.

[追記:7 November 2016]ダブルスラッシュ「//」をシングルスラッシュ「/」に書き換えれば二段階を踏まなくてもフォルダー移動できることが判明した.つまり「/var/……//……」→「/var/……/……」とする.

「RStudio と R Commander のグラフィック・デバイス管理」

RStudio から R Commander を起動した時,R Commander のグラフ描画出力が RStudio とは別窓になってしまう症状に前から困っていた.この問題への対処はグラフィック・デバイスをちゃんと管理すれば解決できることがわかった.RStudio プロンプトで「RStudioGD()」と入力すると R Commander のグラフィックスは RStudio の内窓に表示され,「dev.new()」と入力すると外窓に表示される.

「【統計学】尤度って何?をグラフィカルに説明してみる」

Qiita(2015年11月18日)

 → http://qiita.com/kenmatsu4/items/b28d1b3b3d291d0cc698

尤度を説明するときにこういうアニメーションがあると効果的だろうな.ワタクシなんか,かつての「OHP時代」につくった手書きの尤度説明図を今でも使い続けている.今では「OHP」ということばも死語になってしまったし,そろそろこのスライドのリニューアルもしないといけないんだけど,お座敷での紙芝居の1枚として馴染んでしまっていてですね.

「R + RStudio + R Commander 黄金三点セット(続き)」

前記事「R + RStudio + R Commander 黄金三点セット」の続き.

最近では,講義や研修の実習では,この「黄金三点セット」を使うことがワタクシ的にはデフォルトになっている.Rcmdr は汎用性の高い統計ツールがまとめられているので,データファイルの読み込み・グラフ描画・モデル構築・確率分布リストなどでとても重宝する.Rcmdr なしにはワタクシの高座は成立しない.新しいバージョンでは Markdown 出力もでき,さらに用途が広がる.

もう一方の RStudio は R プログラミング環境なので,これはこれで R のスクリプトを利用した実習や計算になくてはならない.コマンド補完機能などのユーティリティも重宝する.ただし,RStudio と Rcmdr とは使い道が別なのでどちらか片方だけですませることはできない.RStudio の中から Rcmdr を起動すればもう鬼に金棒.

Rcmdr の卓越したグラフ描画機能だけでも統計学習者への “洗脳力” は十分すぎる.そのうち ggplot2 や cowplot が Rcmdr メニューに追加されればパラダイスだろう ―― と思ったら,すでに「Rcmdr から ggplot2 が使えればいいな」というニーズに応えて「RcmdrPlugin.KMggplot2」というプラグインがCRANにあることを知った.すばらしい.さっそくダウンロードした.