Inleiding tot de R-statistiek

統計学全般に関する備忘メモの書庫(三中信宏)

「生物統計学質問集(2015年5月29日)」

  • #NodaiStat 先週は分散分析のF検定あたりのリクツの話をしたので,質問もそこんところに集中しているような. posted at 15:13:56
  • #NodaiStat 【質問】「F値帰無仮説のあたりが雲をつかむようで……」(同様の質問複数)/【回答】F値はデータのばらつきに関して水準間/水準内の分散比(平均平方比)と定義されます.処理効果が「ない」と主張する帰無仮説のもとでは,FはF分布にしたがい,1近くの期待値です. posted at 15:17:14
  • #NodaiStat 【回答】続)しかし,水準間の差異が大きくなるほど,F値は1よりも増大していくので,F分布の上側1%あるいは5%の面積を「棄却域」と設定し,帰無仮説を棄却する意思決定の「見極め値」を設定するわけですね. posted at 15:19:28
  • #NodaiStat 【回答】続)なお,棄却する限界値(有意水準)の1%あるいは5%の値そのものには何の意味もありません.100回同様の状況が再現されたとき,帰無仮説のもとでは1回(or5回)以下しか得られないような大きなF値がデータから計算されたら帰無仮説は捨てようということ. posted at 15:22:08
  • #NodaiStat 【回答】続)要するに,データから計算されたF値が大きければ偶然変動に対して処理変動が相対的に大きくなるわけですが,どれくらいF値が大きければいいのかの見極めを帰無仮説のもとでのF分布が与えているということです. posted at 15:24:23
  • #NodaiStat 【回答】続)大きなF値を「処理効果はぜんぜんない」と主張する帰無仮説でむりやり説明するのは苦しいので,F値が棄却域に入ったら「処理効果はあるよ」とささやく対立仮説に鞍替えしてラクになろう. posted at 15:26:06
  • #NodaiStat 【質問】「殺虫剤が平均よりも効く場合と効かない場合ではF値にちがいがあるのでは?」/【回答】F値の元になっているのは偏差の「平方」ですから,全体の平均値を上回っても下回っても「平均からずれる」大きさだけをすくい上げます. posted at 15:29:41
  • #NodaiStat 【質問】「帰無仮説にもとづくF検定は “背理法” みたいなものでしょうか?」/【回答】論理学の背理法は白黒がきっちり決まりますが,帰無仮説 vs 対立仮説はもっと緩いですね.どっちの説明の方がより妥当かどうかをF値を見ながら判定するという感じ. posted at 15:32:16
  • #NodaiStat 【感想】「出版された本は農大図書館に寄贈よろしく」/【回答】明日の午後,世田谷キャンパスに出没しますので,そのおりに農大図書館に寄贈しましょう. posted at 15:34:05
  • #NodaiStat 【質問】「日本語がまだ力不足なので,できれば英語の統計学の本があれば紹介してください」※留学生からのコメント/【回答】英語の統計学書は選ぶのに困るほどたくさんあります.農大・世田谷の図書館に入っているSokal & Rohlf『Biometry』はいいかも. posted at 15:44:18
  • #NodaiStat 以上で質問への回答はおしまい. posted at 15:44:48