Inleiding tot de R-statistiek

統計学全般に関する備忘メモの書庫(三中信宏)

「第1回と第2回の講義」

第1回(4月13日)は,講義全体のガイダンスを兼ねていたので,講義らしい内容はほとんどなく,イントロ的なことを少し話しただけでした.翌週の第2回(4月20日)の講義では,「統計学概論」として,データがあるとき,拙速にいきなり「計算」してしまうのではなく,さまざまなグラフを描いてみることにより,データを「視覚化」することが何よりも重要であるという話をしました.視覚化ツールの実例として,John Tukey の「箱ひげ図」を挙げました.最後に,データから結論を導く統計的推論は Charles S. Peirce のいう「アブダクション」であると指摘しました.データをうまく説明できる仮説やモデルをどのようにしてつくるかは,単に計算をしてすむという問題ではなく,科学哲学的なバックグラウンドに照らして考えてみる必要があるということです.