Inleiding tot de R-statistiek

統計学全般に関する備忘メモの書庫(三中信宏)

「本日の質問(6月2日)」

今日は,乱塊法の分散分析を1要因と2要因について説明した.数値計算については,R Commander のデモを併用しました.複数の要因間の交互作用についてはわかってもらえたでしょうか.

【質問】交互作用と誤差をどう分けるのか,聞いていたのだがいまひとつわからなかった.

多要因実験計画では要因間の交互作用が必ず出てくる.解釈によっては,ブロックと要因との交互作用もありえる(今回の講義では説明しなかったが).考え方としては,ある多要因実験の処理効果全体をまず計算し,それぞれの主効果ごとの平方和によって各要因が説明する部分を切り分けていく.そして,最後に残った“残差”を交互作用の平方和として割り当てるという手順になる.いわば,処理平方和全体の“残り”部分を交互作用とみなすわけだ

もうひとつ,こういう質問がありました:

【質問】有意であるとないはどうやって判別しているのかが理解できなかったです.あと5%有意の5%の意味もわからなかったです.

はい,分散分析に関係する有意性検定は前回やったところですが,分散比(F値)の大きさを手がかりにして,帰無仮説(「効果なし」)と対立仮説(「効果あり」)とを比較するということになります.有意水準「5%」の解釈ですが,たとえば同様の実験を百回行なったと仮定して,そのうち,得られたF値ほどの大きい値が帰無仮説のもとで得られる確率は5回だということです.処理効果がないと仮定したときにこの程度の少なさでしか結果が実現しないということは,むしろ対立仮説の方を選んだ方がリーズナブルだという推論になります.